HOMEウィーン演奏旅行につきまして(2019/10/24)

劇中歌で参加した映画『天気の子』の挿入歌「大丈夫」を合唱で歌ってみました

千葉のちいさな町で生まれた合唱団が、外国の音楽コンクールで「世界一」になっていたことをご存じでしたか?

1977年、「市政」になってから10年ほどの八千代市という、田んぼと牧場の「まち」で八千代少年少女合唱団は「歌産声」をあげました。
今年で43年目を迎える八千代少年少女合唱団は、「美しいひびき」を求め続ける、3歳の幼児から高校2年生までの年齢差が14歳ある子どもたちの合唱団です。
「聴く力」を徹底的に養い、心を一つにして歌うその歌声は各所で高い評価をいただき、結成23年目の「西暦2000年」という記念すべき年に、ハンガリーで行われた「カンテムス国際合唱コンクール」において、金賞第1位を受賞しました。

八千代少年少女合唱団って?

八千代市立大和田小学校で音楽教諭をしていた長岡利香子先生が一念発起、教職を辞め、八千代市で初めて少年少女合唱団を立ち上げました。それが「八千代少年少女合唱団」です。最初に集まって来た子供たちは40人程でしたが、「美しいひびき」を求めて、先生の情熱と、必死でついて行こうとする子供たちは練習に練習を重ね、地元で演奏活動を続けていくうちに少しずつ団員も増えていきました。

そして、結成当初から毎年行っている「定期演奏会」が評判を呼ぶようになり、当時はネットも何もなかった時代ですが、今でいう「口コミ」が広がったのでしょうか、合唱団結成7年目の1984年に、マレーシア国王からご招待を受け、初の海外公演を行う事となりました。何より、長岡先生はじめ団員はその時、飛び上がるほど驚いたといいます。

公演に向けてさらに練習練習練習の日々、「合唱」という傍から見れば「楽でしょ?」と思われがちなものですが、実はひとりで歌うよりもはるかに重責のある世界、「周りの音をきいて!」と常に口を酸っぱくして指導する先生も、時には「できないなら歌わなくていい」と、練習時に「口パク」をさせるという、保護者から見れば信じられないような光景も見せられました。それでも子供たちは純真です。口パクさせられないように必死で頑張ります。そしてそんな血のにじむような努力の結果、見事にマレーシア国王をうならせる演奏を成し遂げたのです。

初めての海外公演を成功させたことをきっかけに、その後も他国からご招待を頂くことになります。
2年後の1986年には中国政府機関「文連」より日本の少年少女合唱団として初めて招待され、北京、天津、上海にて公演を行い賞賛を頂きました。
その後も1993年にはドイツ友好協会の招きによりドイツで公演、1996年には八千代市の国際姉妹都市アメリカ・テキサス州タイラー市の招きにより歌声での国際親善を果たすことができました。
そして遂に、2000年、ハンガリー「カンテムス国際合唱コンクール」において金賞第1位を受賞することができました。

2003年5月には平成天皇皇后両陛下の御前にて演奏する機会を得ることになり、そこで当時の皇后陛下美智子様のお書きになったお話(はじめてのやまのぼり)を初演するという機会をいただき、皇后陛下より「素晴らしい演奏をありがとう」というお言葉をいただきました。

また、2004年2月には、日中平和友好条約締結25周年記念演奏会に出演し、中国全土にテレビ放映されました。2006年3月には、ニューヨーク市の招きによりグラウンドゼロでの追悼演奏や国連本部での平和祈念演奏会を開催しました。
2007年9月日中国交正常化35周年、文化・スポーツ交流年の記念事業に日本代表として派遣され、上海及び南京で歌手の谷村新司さん、平原綾香さんらとともに演奏会に出演させていただきました。2010年3月にはモナコ公国の招きにより、モナコ及びイタリアでの公演、モナコ大聖堂をはじめ各地で演奏会を開催し大好評をいただきました。

モナコ・イタリア演奏旅行

モナコ・イタリア演奏旅行

モナコ・イタリア路上ライブ

「お家芸」と言われる路上ライブ

歌手の方々のコンサートにも出演させていただきました。
1984年の「芹洋子ふれあいコンサート」に始まり、ボニージャックスさん、吉井和哉さん(イエローモンキー)、伊藤咲子さん、大黒摩季さん、小柳ゆきさん、NOKKOさん、福原美穂さん、八神純子さん、尾崎裕哉さん、渡辺真知子さん(年次順です)らのコンサートでも共演させていただきました。

八千代少年少女合唱団と「襟裳岬」を披露する吉井和哉さん

八千代少年少女合唱団と「襟裳岬」を披露する吉井和哉さん

【billboard classics festival 2019 in Chiba】元レベッカNOKKOさんと

【billboard classics festival 2019 in Chiba】レベッカNOKKOさんと

【SUMMER LIVE 2019】で渡辺真知子さんと

【SUMMER LIVE 2019】で渡辺真知子さんと

NHK「新・BS日本のうた」収録で、司会の小松宏司さんと

NHK「新・BS日本のうた」収録で、司会の小松宏司さんと

今年2019年5月、新海誠監督の映画「天気の子」の劇中歌を歌わせていただき、レコーディング時はRADWIMPSさんも応援に駆けつけてくださいました。
また直近の11月28日には、NHKの『新・BS日本のうた』の収録で、演歌歌手の水森かおりさんとご一緒させていただきました。

これまで国内外での演奏旅行やイベント出演、小学校音楽教科書準拠CDのレコーディングを担当、プロの音楽家たちとの共演やレコーディング等、様々な活動を積み重ねて参りました。
このたび、八千代少年少女合唱団はオーストリア大使からの親書を賜り、2020年のベートーヴェン生誕250周年という節目の演奏会「第7回 UTAU DAIKU」において、「ウィーン少年合唱団」と共演、「黄金のホール」で知られる音楽家の聖地楽友協会ホール」の舞台で演奏する、という機会を、世界中の合唱団の中から代表として招聘される名誉を賜りました。

八千代少年少女合唱団はどこでも歌います。

山形・蔵王の御釜(おかま)で『フニクリフニクラ』

🔍ショッピングモールの屋上や広場での演奏 🔍ショッピングモールの屋上や広場での演奏

ショッピングモールの屋上や広場での演奏

🔍八千代市の議場でのコンサート 🔍時にはリングの上でも演奏します

八千代市の議場や四角いリングの上での演奏

🔍定期演奏会では「オペレッタ=音楽劇」

定期演奏会では「オペレッタ=音楽劇」も

定期演奏会で『汽車三題』


「ウィーン少年合唱団」と共演する演奏会に招聘される

2017年1月、八千代少年少女合唱団は「合唱団」として前代未聞の実績と地位を築きあげたとして、八千代市より市政初の「市民栄誉賞」を授賞いたしました。同年12月、日本コロムビアより初めてのメジャーアルバム『響け歌声 ビューティフル・コーラス』をリリース、念願のメジャーデビューを果たすことができ、ますます団員の士気も上がり、定期演奏会をはじめとして年間20本の公演をこなすまでに成長しました。

そしてこのたび、オーストリア大使からの親書を賜り、2020年のベートーヴェン生誕250周年という節目の演奏会「第7回 UTAU DAIKU」において、「ウィーン少年合唱団」のカウンターパートとして、共にこの演奏会イベントに参加、また演奏会第一部では『八千代少年少女合唱団』としての単独公演のステージをご用意いただける事になり、「黄金のホール」で知られる音楽家の聖地楽友協会ホール」の舞台で演奏する、という機会を、世界中の合唱団の中から代表として招聘される名誉を賜りました。


「UTAU DAIKU」とは

ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地である、ウィーン楽友協会にてベートーヴェン交響曲第九番「合唱付き」を演奏する、日本とオーストリアの国際交流参加型の演奏会です。2014年3月に第1回演奏会が開催され、その後2018年3月まで5回の開催を数えています。

2020年、ベートーヴェン生誕250年を迎えるにあたって、3月9日にウィーンで第7回UTAU DAIKU開催が決定しました。ベートーヴェンメモリアルイヤーの祝祭企画として、第九初演の演奏会を再現するプログラムを計画中です。

【出演者】

  • ウィーン少年合唱団
    (すべての回に参加)
    ウィーン少年合唱団
  • 八千代少年少女合唱団
    UTAU DAIKUサイトに掲載いただきました)
  • 吉田 珠代(ソプラノ)
  • イレーナ・ヴェーバー(メゾ・ソプラノ)
  • ヘルベルト・リッパート(テノール)
  • ウォルフガング・ヴァンクル(バスバリトン)
  • 指揮者・合唱指揮者ゲラルド・ヴィルト
  • オーケストラウィーン・カンマーオーケストラ

【ご注意】参加予定アーティストは、健康状況・その他事情により予告なく変更される場合もございます。予めご承知ください。


演奏会場「ウィーン楽友協会」

世界で最も有名なオーケストラである、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地です。
「黄金のホール」という名の通り、豪華絢爛な装飾と、計算しつくされた設計により、今日も「世界で最も美しい響きを持つホール」といわれ、1812年の創立以来、世界中の音楽家・音楽愛好家を虜にしています。
また、毎年1月1日に開催される、ウィンナワルツを中心としたウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの会場としても有名です。
過去、作曲家のヨハネス・ブラームスグスタフ・マーラーリヒャルト・シュトラウスや、名指揮者のカラヤンバーンスタインアバド、そして日本の小澤征爾がこの指揮台に立ち、当時のウィーンの聴衆を魅了してきました。
現在でも、世界中の音楽家がこの舞台に立つことに憧れています。

ウィーン楽友協会ホール 「黄金の間」

ウィーン楽友協会ホールと「黄金の間」



フルメンバーで歌いたい!



団員フルメンバーで行くには、合計4,000万円の渡航費が必要です。
民間団体であり公的支援のない私達の合唱団では、通常の団員の月謝で合唱団事務局のスタッフが(全員が合唱団OBOGか保護者ですが)やりくりしています。
月謝からは会場使用費、演奏会場への交通費、指導者への薄謝を賄うのが精一杯で、演奏旅行など費用はとても捻出はできず、行けるのは自己負担できるご家庭の子供だけ、という状態でした。そのためこれまでの海外遠征でも全てのメンバーでの演奏は実現できていませんでした。

合唱団の歴史の中でも最大の檜舞台といっても良いこの機会に、是非ともフルメンバーでの演奏を実現するための募金を、引き続き募らせていただいております。

子供達の歌声が、世界中の音楽を愛する方々にどのような形で届くのか、是非その旅路をご一緒に見守っていただきたく、ご支援頂ければ嬉しいです。よろしくお願い致します。
支援者の皆様には、その都度途中経過のご報告をお約束致します。


みんなでウィーンに行きたい


八千代少年少女合唱団では、皆様からの温かいご支援を受け付けております。

募金箱はこちらをクリックして下さい。
募金箱はこちらをクリックして下さい。



終わりに

団員の子供たちはごく普通の少年少女たちです。
どうしてそこまで昇り詰めることができたのか。
ただ一筋、練習です。練習すればかならず上手になる。

下は2歳から、上は高校2年生まで
先輩は幼い子の手を引いて面倒を見てあげる。
幼い子はまるで本当のお兄さんお姉さんのように先輩たちに慕ってゆく。

そして練習は週に3回、雨の日も風の日も。
学校との活動ともそれぞれみんな自分なりに両立させて

それでも、どうしても両立できない日があったら
泣いて、先生に言えずに泣いて、それでも最後には必ず自分で先生に言う。

長岡先生は子供たちのことを何よりも先に考え、
全ての子供たちに分け隔てなく接し、練習の時は鬼のように厳しく、
でも練習が終わると、必ずひとりひとりにご褒美のアメ玉をあげて
「今日もよくがんばったねー、えらいえらい!」と。

第一期生の子(笑)はもう50代になりますが、そんなことが代々受け継がれて、積み重ねがあって、子供たち同士は絆を築き上げながら前に進んで行く。

そんな、まるで大人社会の縮図のような集団の中で成長し、力を培ってきた子供たちです。

本当は友達とももっと遊びたいだろうに、
ディズニーも近いからもっと行きたかっただろうに
みんなすべて我慢して
でも決してそれは無理をしているのではなく、
自分では見えない向上心がそうさせているのです。

だから演奏発表会の彼ら彼女らの歌を聴くと
保護者は涙が止まりません。

この合唱団には、入団テストなどいっさいありません。
すべての子供たちがその可能性を秘めているからです。



八千代少年少女合唱団